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「ナレーション」という言葉を聞くと、演劇やニュース番組などのテレビを想像する方も多いのではないでしょうか。しかし、音声ガイド、店内放送、文章の読み上げ、英語のリスニングなど私たちが思っている以上に、様々な場面で、ナレーションは必要とされています。
多くの方が聞きやすいと感じるナレーションは、映像尺とナレーション原稿との関係によって調整されています。では具体的に、適切とされるナレーションにはどのような目安があるのでしょうか。
本記事では、前半で聞き手が聞きとりやすいナレーションのスピードの目安とスピードの変化による雰囲気について、後半では映像尺とナレーション原稿の関係に着目して解説します。
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聞き手が理解しやすいナレーションのスピードは、一般的に「1分間に300文字」と言われています。ここで言う300文字とは、漢字、かな、句読点などが含まれている日本語の文章における目安です。アナウンサーやナレーターなど話し手の世界では、1分間で300文字を目安としている方は多数います。場面によってナレーションのスピードを使い分けることもありますが、プレゼンテーションや文章を読み上げる機会がある方は、「1分間300文字」を目安にするといいでしょう。
人前で発表したり、プレゼンテーションなどをする機会がありましたら、まずは自分でナレーションのスピードを確認してみましょう。しかし確認のためにわざわざ1分間も話し続けるのは少し面倒に感じる方もいると思います。なので1分間ではなくとも、10秒間で確認することが可能です。一般的に1分間で300文字とされているので、10秒間では50文字が目安となります。50文字は、文章にすると以下のような長さです。
「現在の時刻は午後3時20分です。お手洗い休憩といたしますので、20分後の3時40分までにお戻りください。」
声に出して読んでみると、想像よりゆっくりに感じる方が多いのではないかと思います。個人差がありますが、日本人の一般的な日常会話は「1分間に360文字~420文字」とされているので、この10秒間の話す速さを基準としてみると、普段の話すスピードを時間できるのではないでしょうか。
上記のように「1分間に300文字」が目安とされています。しかし、これよりも速度を上げると、テンポがよく、明るい雰囲気になり、速度を落とすと、ゆったりと情感を込めた雰囲気になります。このように作品や番組の内容によって求められる速度は変わってきますので、用途によってナレーションのスピードを使い分けることが大切です。そこで本章では、シーン別で目安とされているナレーションのスピードをご紹介します。
例えばニュース番組では上記で記載したように、一般的なナレーションのスピードである「1分間に300文字」が1つの目安とされています。2014年に矢野香氏が執筆した『【NHK式+心理学】一分で一生の信頼を勝ち取る法―NHK式7つのルール』では、NHKのアナウンサーは1分間に300文字~350文字を読むと記載されているので、他のテレビ局でも同等の速度であるとうかがえるでしょう。
しかしどのテレビ番組でも同じ目安であるとは限りません。例えば、「ぶらり途中下車の旅」のようなまったりとした旅番組はどうでしょうか。ナレーターの語りが普通の番組よりもゆっくりに感じる方も多いでしょう。番組のコンセプトや視聴者が番組に求めているものによって、ナレーションのスピードも変わります。
アナウンサーが「1分間で300文字」を1つの目安にしているので、プレゼンテーションにおいても「1分間で300文字」を参考にするといいでしょう。ゆっくりに感じるかもしれませんが、抑揚をつけたり、句読点などの間を入れて丁寧に話すことが重要です。
また持ち時間が長くなるにつれて、トピックの移り変わりやスライドチェンジなどの時間も考慮する必要があります。更に、プレゼンテーションとなると、聞き手とのコミュニケーションも発生するので、持ち時間が長い場合は「1分間で300文字」よりも少なめに設定して発表に臨むと余裕をもつことができるでしょう。
日常的な会話のスピードはひとそれぞれですが、およそ1分間あたり360文字から420文字の間くらいとされています。あまり意識するところではありませんが、もしこの数字よりも極端に早い、もしくは遅いということがあれば、少し話す速度を調節する必要がるかもしれません。
同じテレビ番組でも、スポーツ実況は少し勝手が変わります。ニュースは主に原稿を読み上げるのに対して、スポーツ実況では、リアルタイムで目の前で起こっている出来事を、視聴者の方々にわかりやすく伝える必要があるため、情報がより多くなります。
その中でも短時間で多くの情報を伝える「競馬実況」では1分間でおよそ700文字から800文字ほどの速さになります。この数字だけ見ると「早すぎて伝わっていないのでは?」と考える方もいると思いますが、日本人が聞き取れるスピードが「1分間で800文字」と言われています。なので、ギリギリ聞き取ることが可能です。
動画を制作するうえででよく起きるのが、「ナレーション原稿が映像尺に収まらない」というトラブルです。その際に「動画ナレーション」を追加しようかどうか迷う方もいるのではないでしょうか。原稿を作成したりナレーションを録音したり、と工程数自体は増えてしまうのですが、動画ナレーションを入れることでより多くの情報を伝えることができます。しかしナレーション原稿は通常の文章とは異なる点がいくつかあるので、注意が必要です。そこで本章では、ナレーション原稿を制作する際に意識すべきポイントを5つ解説します。
ナレーションで映像で流れているものとは別の情報を盛り込むことは珍しいことではありません。しかし、たくさん入れすぎると映像とナレーション双方に意識を向ける必要がある動画になってしまい、逆に訴求力は弱まってしまう可能性があります。ナレーションはあくまで、映像をサポートする役割を持っているので、ナレーションで誇張しすぎた表現にならないように注意しましょう。
ナレーション原稿では、基本的に一文に対して伝えたいことはひとつにしましょう。情報を詰め込みすぎて長文になってしまうと、一度に聞き取る量が多くなり、結果的に要点が伝わらないことがあります。ナレーション原稿に「、」を多数発生させないように注意しておきましょう。しかし短くしようとしすぎて、単に情報が少ないナレーションになってしまっては本末転倒です。文章全体を短くしながらも、伝えたいポイントを伝えられるようにすることが大切になります。
ナレーション原稿の作成者とナレーターの感覚や知識量は必ずしも一致するとは限りません。ナレーション原稿をナレーターに渡す際には、以下の2点を追加するとナレーションがよりスムーズに進みます。
原稿作成の段階で追加・指定する項目
ほかにも少し文章が長くなってしまった場合は、要点を強調したりするなど、ナレーターの方へ配慮してあげると、ナレーターもより余裕をもってナレーションをすることができます。
本番に限りなく近いテンションで実際に原稿を声に出して読んでみましょう。黙読や脳内再生だと、ほとんどの人が実際より速いテンポになってしまうので、読むときは一音一音はっきりと発音できるように意識することが大切です。映像素材が先に完成していれば、動画のシーン割りに合わせてテロップを読んでみてください。この際に、映像尺よりオーバーしてしまったところは、文言を言い換えたり一文をより短くしたりするなど調整しながらテストを繰り返していきます。この確認作業で、原稿の仕上がりのほとんどが決まるので、念には念を入れて確認をしながら進めていきましょう。
外国語、特に英語音声の原稿を日本語に翻訳したものをそのままナレーション原稿として使用すると、映像尺に収めることはほとんど不可能です。発音や単語の長さの性質上、まったく同じ意味の文章でも英語は日本語に比べて文章が短くなる傾向にあります。よって、そのまま映像尺に合わせて読み上げると、非常に早口になり聞き取りにくいナレーションになってしまいます。大まかな目安ですが、英語を日本語に翻訳すると文字数は約1.5倍になりますので、オリジナル原稿の約3分の2の長さになるように調整しましょう。
ナレーションのスピードの目安は「1分間で300文字」ですが、ただ話す速度を意識すればいいものではありません。持ち時間や映像尺を意識しながら、ナレーション原稿を正確に読み上げる必要があります。また、YouTubeなどの動画作品では動画ナレーションを入れることで、尺をはみ出すことがなくなります。 ナレーションの時間管理は、ナレーションの仕上がりにとどまらず、情報が溢れ返っている現代社会において欠かせないものです。プレゼンテーションや文章の読み上げなど、これからナレーションをする機会にぜひ活かしてください。
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