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シーン別ナレーターの選び方①

様々なツールの発達で、個人でも簡単に動画を作れるようになりました。
動画は大きく分けて視覚情報である映像と、聴覚情報である音声によって作られていますが、その聴覚情報の影響力の大きさをご存知ですか?

この記事では
・ナレーションの声の高さによってどのように印象が変わるのか
・高めの声/低めの声はどんなシーンに当てはまるのか
・話す速さによって印象はどのように変わるのか
という内容を解説します。

どのようなナレーションだと伝えたい情報をより印象的に伝えられるのか、ナレーター選びの参考にしてみてください。

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声によって与える印象は変わる

一説には、人が五感によって情報を知覚する時、83%は視覚によるもので、11%(もしくは7%)が聴覚情報によるものだそうです。 つまり、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の中で聴覚は2番目に重要な情報と言えます。
そんな聴覚情報として今回注目したいのがナレーション。 ナレーションは、声質や話すテンポによって聞き手が受け取る印象は大きく変わります。
例えば、同じ映像を使ってもナレーションによって広告効果が変わったり、音声案内に使われているナレーターの声質によってユーザーの受ける印象が変わったりします。
また、多くの場合において女性の方が男性よりも声が高く、体格や年齢によっても出せる声質が変わってくるため、どのようなナレーションにしたいのかによってナレーターの選び方が変わってきます。

考えるポイントは2つ。 1つ目は、この動画のターゲットは誰かです。 誰に、どんな印象を持ってほしいのかによって向いている声質や話し方が変わります。
例えば、内容は同じ「会社の功績を説明すること」であっても、相手が投資家の時と就活生の時では感じてほしい印象は異なります。 相手が投資家であれば権威性や信頼を感じてもらうための演出が必要です。 逆に、就活生を相手にする時は期待感や明るく爽やかな印象を与える演出が求められます。

2つ目は、ナレーションと合わせる映像のテイストです。
映像が実写なのかアニメーションなのかによっても、合うナレーションは変わってきます。
例えば、リアルなテイストで描かれた実写よりのアニメーションには、アニメらしい可愛らしいナレーションよりも説得力のある落ち着いたナレーションが合います。 逆に、親しみやすさを重視するポップなテイストのアニメーションでは、明るくハキハキとしたナレーションが適切です。

このようなナレーションの印象は、ナレーターの声の高さで操作できます。

高い声は爽やかさ、低い声は信頼感を与える

高い声と低い声では、聞き手に与える印象が異なります。

高い声の特徴
・明るく爽やかな印象を与える
・軽快で親しみやすい
・聞き取りやすい

低い声の特徴
・落ち着いた印象を与える
・権威性、信頼感、説得力がある
・聞き取りにくいと感じる人もいる

こういった特徴から、高い声が多い女性のナレーターは聞き取りやすさが重視される音声案内に使われることが多く、低い声が多い男性のナレーターは権威性や説得力を示したい時に採用されることが多いです。

高めの声が当てはまるシーン

高めの声は、ワイワイ盛り上がるイベントや若者向けの動画、騒音が多い場所で流す動画などに適しています。

具体的には、
・就活生に向けた企業紹介
・学生向けのサークル紹介
・ポップなアニメーション動画
などのナレーションを選ぶ時は高い声のナレーターが良いです。

また、幅広い世代に向けた動画を作る時にも高い声の方がオススメです。 公園で遊んでいる子どもたちの声や、若い女性たちの雑談の声が良く響くと感じたことはありませんか? 高い声は低い声よりも多くの人にとって聞き取りやすいです。 幅広い世代に向けた動画では、多くの人の耳に止まる声が好ましいです。 そのため、女性の声のように好印象を持たれやすく、聞き取りやすい声がよく使われます。

20~30代向けのスポーツイベントを告知する動画

この動画の場合、ターゲットは20~30代の男女で、動画の目的は「イベントの存在を知ってもらう」「参加してもらう」の2つです。

そのため、与えたい印象は以下のような内容になります。
・楽しそう
・若者向きのイベント
・盛り上がっていそう
・気軽に参加できそう

高い声の「軽快」「明るい」という印象は「楽しそう」「盛り上がっていそう」という印象に繋がります。 また、高い声は若年層を連想させるため、若者向きの雰囲気を演出できます。 可能であれば、実際にターゲットと同じぐらいの年代のナレーターを選ぶのもひとつの手ではないでしょうか。

さらに、高い声の親しみやすさが参加の心理的ハードルを下げるため、気さくにイベントに参加することを促す動画のナレーションとして適切です。

アニメーション動画

アニメーション動画は実写動画よりもポップな印象になり、内容をわかりやすく伝えることが重要になります。 そのため、アニメーション動画で重視される目的は「情報を伝えること」です。

より多くの人にとって聞き取りやすい声を選ぼうと思うと、低い声よりも高い声の方が適しています。 このことは様々な音声案内で女性の声が使われていることからも示されている通り、明るくハキハキとした声は幅広い世代の人にとって聞きやすい声となります。

ただし、すべてのアニメーション動画において高くて元気のよいナレーションが最適という訳ではありません。 実写寄りの落ち着いた絵柄の映像に合わせる時は、ナレーションも少し落ち着いたトーンの声を選ぶと上手くマッチングし、統一感が生まれます。

アニメーション映像のテイストと合わせたうえで、ターゲットにとって好ましい声を探していきましょう。

騒音がある場所で流す映像

工事の音や道路の走行音など、いわゆる騒音が激しいところでも情報を伝えなくてはいけない場面もあります。

そういった時には低い声よりも通りやすく、はっきりと聞き取れる高い声の方が適しています。 実際に現場で声を聴いてみるのも良いかもしれませんね。

低めの声が当てはまるシーン

低い声は、真面目なビジネスシーンや権威性を示したい動画、落ち着いて聞いてほしい重要な内容などのナレーションに向いています。

具体的には、
・株主総会での事業報告
・契約内容の説明
・講義
などは低めの声のナレーションを使うことがオススメです。

投資家に向けて事業の説明をする動画

この場合、動画の目的は「投資してもらう」ことです。
そのため、与えたい印象は以下のような内容になります。
・信頼できる
・実力がありそう
・しっかりしている
・落ち着いている
投資してもらうためには、明るさや爽やかさよりも投資先としての価値を示すことが大切になります。

低い声は落ち着いた印象を与え、信頼感や説得力のある話し方になります。 説得力を感じさせることで「企業としてしっかりしていそう」「実力がありそう」と思わせ、信頼感も与えられます。

スピードによっても与える印象は変化

ナレーションが視聴者に与える印象は、声の高さだけで変わるわけではありません。 同じ声質でも話すスピードやテンポを変えることで聞いた時の印象が大きく変わります。

落語や声劇を思い浮かべてもらうとわかりやすいのではないでしょうか。

話すテンポや勢い、間の取り方で1人が何人もの人物を演じ、それぞれの性格をなんとなく伝えてくれます。 これは演技だけではなく、ナレーションにも応用できる技です。

重要な内容であると印象づける時はゆっくり話す

ゆっくりと言い聞かせるように話すことで、聞き手に「今は重要な話をしている」という印象づけができます。

例えば、「こちらの内容でよろしいですか?」という言葉を、一息でサラッという時と、「こちらの内容で・よろしいですか?」と区切ってゆっくり読むのでは、後者の方が重々しい雰囲気になり、重要なことを話している印象になります。

また、ナレーターに対して
・落ち着きがある
・責任感がある
・自信がある
・優雅
という印象を抱いてほしい時には、ゆったりとしたスピードのナレーションがオススメです。

相手を説得したい時は早めに話す

逆に、相手を説得したい時にはナレーションのペースを上げます。 通販番組のセールスをイメージするとわかりやすいでしょう。

早めの話し方は、
・話している内容をよく理解している
・頭の回転が速い
・話している分野の知識が豊富
といった印象になるので、話す内容に説得力が出ます。

まとめ

動画の重要な要素である音声を担当するナレーター。イメージや目的に合わせた動画を作るためには、最初のナレーター選びが重要となります。
・明るく爽やか
・軽快で親しみやすい
印象を与えたい場合は若い人や女性など高い声のナレーターを起用することがオススメです。幅広い世代に向けた動画を作りたい場合も高い音の方が聞き取りやすいので適しています。

逆に、
・落ち着いている
・権威性、信頼感、説得力がある
という印象の動画を作りたい場合には年配の人や男性など低い声のナレーターを選ぶとイメージに合いやすいです。

また、同じ声でもゆっくり話すと重要な内容だという印象を作れ、やや早く話すと説得力があると聞き手に思わせられます。 以上のことから、動画のターゲットや目的に応じたナレーター選びが大切になります。

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