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映像は普通なのに、妙に印象に残るCMの秘密をご存知ですか?
個性的な映像や特徴的な声を使わなくても人の印象に残る方法は、ナレーションの読み方を工夫することです。
人は同じ声質の音声でも、その話し方によって入ってくる情報量や印象が異なります。
この記事では
・ナレーションの読み方によってどのように印象が変わるのか
・具体的にどのような読み方がどのようなシーンのナレーションに適しているのか
・ナレーターに事前に伝えておくべき情報は何か
という内容を解説します。
読み方を工夫すれば、同じナレーターの声でもシーン別に印象を操作でき、伝えたいイメージをより細かく表現できます。
自分の動画に適切な演出の参考にしてみてください。
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ナレーションから受ける印象は、「声」と「話し方」の2つが大きく影響します。
例えば、
・声のトーンが高い:明るく爽やかな印象
・声のトーンが低い:暗く落ち着いた印象
・話すスピードが速い:明るい印象
・話すスピードが遅い:ゆったり優雅な印象
になります。
ナレーターによっては声の高さをコントロールすることもできますが、
・女性の声の方が高く、聞き取りやすい
・男性の声の方が低く、権威性を示しやすい
という傾向があります。
ナレーターが未定の場合は、
・動画のターゲット
・映像のテイスト
・動画の目的
・ナレーションを使うタイミング
などに応じて選ぶことが大切です。
また、ナレーションの印象は声質だけでは決まりません。
①読むスピード
②語尾の言い方
③声の高さやスピードのメリハリ
ナレーションの印象はこれら3つの要素も重要になります。
ナレーションの印象を左右する1つ目の要素は「読むスピード」です。
同じ原稿を同じ人が読む場合でも、読むスピードを変えると、
・速いナレーション:頭がよく、ハキハキとしている
・ゆっくりしたナレーション:落ち着いていて、安心感がある
という異なる印象を聞き手に与えられます。
また、部分的に速めたり遅くしたりすることで特定の情報を強調することが可能です。
例えば、
・ゆっくりと話す:聞き手は重要な情報だと認識する
・話すスピードを上げる:話し手が自信を持っていると認識する
という違いがあります。
この違いを利用して、結論をゆっくり、根拠を速めに話すと、聞き手にとって理解しやすく、説得力を感じるナレーションになります。
ナレーションの印象を左右する2つ目の要素は「語尾の言い方」です。
同じ文章でも、語尾が上がり調子になるように読んだ場合と、下がり調子になるように読んだ場合では聞き手が受ける印象は異なります。
具体的には、
・上がり調子:継続していく、未来への期待がある、明るい
・下がり調子:終了した、話が一区切りついた、落ち着いた
という印象になります。
これは語尾だけではなく、助詞や文節に変化をつけることでも同様の印象操作が可能です。
ただし、使用する頻度には注意が必要です。
上がり調子ばかり多用すると軽薄に聞こえ、下がり調子ばかり使うと暗く聞こえてしまう危険性があります。
ナレーションの印象を左右する3つ目の要素は、「全体のメリハリ」です。
・声の高さ
・声の大きさ
・話す速さ
・間の取り方
・語尾の上がり下がり など
このような変化の有無も全体的な印象を変えることに繋がり、
声の高さや話し方に変化がある:明るく感情豊か
声の高さや話し方に変化が少ない:落ち着いていて冷静
などの印象操作になります。
例えば、記録を読み上げる時は抑揚をつけないで淡々と読んだ方が聞き手は内容に集中できます。
逆に商品の良さをアピールする内容は、話し方にメリハリをつけることで聞き手の感情を刺激し、アピールポイントを強調できます。
明るめの読み方は、明るく楽しい雰囲気を出すことに長けていますが、その中でも話す速さによって適した場面は変わってきます。
●明るく速めのナレーション
明るい声で速めに読むと、聞き手には「活気にあふれ、生き生きとしている」「自信がある」といったポジティブな印象を与えられます。
また、明るく速めの語り口は人の緊張感を高め、聞き手の意識を集めるため、語り始めや強調したい部分に使うと効果的です。
例えば、「続いてご紹介する商品はこちらです」という一文を明るくハキハキ言うのと、落ち着いてゆったり言うのでは、前者の方が人々の関心を得られます。
●明るくゆっくりしたナレーション
明るくゆったりと読むと、聞き手には親しみやすい印象を与えられます。
前向きで爽やかな印象を与えつつ、速めのナレーションよりも聞き手がリラックスして聞くことができるので疲れにくくなりますし、聞き手に余裕ができるので内容を丁寧に聞けるようになります。
例えば、就活生に対する説明会で流す動画のように、明るく親しみやすい印象を与えたい部分に使うと効果的です。
低めの声で行う抑揚の少ないシンプルなナレーションは、明るめのナレーションに対して暗い印象を持たれることがありますが、それは悪いことではありません。
暗めのナレーションには暗めのナレーションの長所があり、シーンによっては明るいナレーションより好印象に繋がります。
暗めのナレーションは、総じて落ち着いた印象になります。
そのため、ビジネスシーンや緊張感が必要なシーンのナレーションや、格が高い印象にしたい映像などに向いています。
●暗めでスピードが速めのナレーション
暗めの声は落ち着いていて権威があるように感じさせ、速めのナレーションは内容に対する自信や理解度の高さ、冷静さをアピールできます。
そのため、暗めで速いナレーションは業務報告などの事実を伝えるシーンや契約内容の読み上げなど、話し手に対する信用度を上げたいシーンに使うと効果的です。
●暗めでゆったりとしたナレーション
暗めの声も、ゆったりとした遅めの話し方も、どちらも落ち着いた印象を聞き手に与えます。また、ゆったりとした話し方は優しくおおらかな印象にも繋がるため、暗めでゆったりとした話し方は上品な雰囲気を演出したいシーンや、リラックスしながら聞いてほしいシーンに向いています。
例えば、プラネタリウムの解説音声は、低めの落ち着いた声でゆったりと話すことでリラクゼーション効果を与えます。
同じように、聞き手にリラックスしてもらうことが目的の動画であれば、明るくハツラツとした声よりも低めの落ち着いた声の方が雰囲気を作りやすいですし、速めの勢いがある読み方よりも遅めのゆったりとした読み方の方が聞き手の緊張はほぐれます。
ナレーションを依頼するナレーターには、
・ターゲット層
・映像のテイスト
・動画の目的
・どのような雰囲気にしたいか
・強調したい部分はあるか
など事前に情報や要望を伝え、どのような読み方をしてほしいのかイメージを共有しておくことが大切です。
同じ台本・同じ声でも読み方を変えるだけで聞き手の印象や聞きやすさは大きく変わります。
事前にナレーターが要望や目的を理解しているかどうかで読み方が変わるため、求めるイメージ通りのナレーションを得るためには事前の打ち合わせが欠かせません。
伝えたい意図を正しく表現するためには、ナレーターが十分に動画の意図を理解し、作成者の意図を読み方に反映させる必要があります。
全体的な印象や強調する場所を決めるのはナレーターではなく作成者です。
ナレーター任せではなく、事前に打ち合わせをして要望を伝えておきましょう。
ナレーションの印象は、「読むスピード」「語尾」「全体のメリハリ」の3つの読み方の工夫と声の高さが大きく影響します。
例えば、同じナレーターでも次のように声のトーンや読み方の組み合わせで聞き手の印象が変わります。
・明るく速めのナレーション:前向きで活気にあふれている
・明るくゆったりしたナレーション:親しみやすい
・暗めで速いナレーション:知的で専門的な能力が高い
・暗めでゆったりとしたナレーション:落ち着いてリラックスできる
また、注目を集めたいシーンでは明るくテンポの速いナレーションにしたり、事実を読み上げるシーンでは暗めの速いナレーションにしたり、シーンに合わせた読み方をすることも聞き手の印象に残りやすくするのに効果的です。
ナレーターはこれらの技を使いながらナレーションを読み上げるため、依頼する時には事前に要望やイメージをしっかり話し、シーンごとに適切なナレーションの読み方を選んでいきましょう。